帝王切開を受けたくない方

どうしても帝王切開を受けたくない方、腟からのお産をしたい方帝王切開を受けたくない方当院では、どうしても帝王切開したくない、腟から産みたい、という患者さまのご要望に最大限応えたいと思っています。一般的に、帝王切開をせず腟から産むためには主に3つの壁を乗り越える必要があります。

1つ目の壁「逆子(骨盤位)」
2つ目の壁「分娩進行中の胎児の状態」
3つ目の壁「休日前・夜勤帯の前」

腟から産むための1つ目の壁「逆子(骨盤位)」胎児が逆子ですと腟から産めずに帝王切開になるのですが、これが出産数全体の5%を占めると言われます。当院では患者さまのご希望があれば外回転術によって逆子を治します。外回転術もその難しさから他院では殆ど行われませんが、正しく適切な方法を用いれば安全に行える頼もしい技術です(個人差で全員可能とは限ら無いです)。

腟から産むための2つ目の壁「分娩進行中の胎児の状態」陣痛が発来するなどしてお産が開始されたあとは、胎児の心拍数と陣痛の強さをモニターして胎児の状態を常に監視していきます。主にこのモニターを通して胎児の元気の良し悪しを判断するのですが、この判断にも知識と経験が必要です。

当院院長は産科の特殊な訓練を受けており、某産婦人科クリニック院長をしていた頃には帝王切開率4%台(全国平均12~20%)を達成しています。もちろん事故やトラブルは一度もありません。胎児の状態の良し悪しについて、一般的な産婦人科医では判断に迷ってしまうようなケースも(※)、しっかりと根拠をもって確定診断できるため、無用な帝王切開を避けることができ、また逆に、腟からのお産はあきらめて今すぐに帝王切開が絶対に必要であるとの判断も的確に行うことができます。

(※)判断に迷うと、医師自身が一刻も早く不安感(胎児が元気なのかそうでないのかわからないという不安感)から解放されたいと考えるため、たいてい帝王切開で決着を図ることになります。担当医が正確に胎児の状態を判断できないのであれば、安全策として帝王切開を選択するのも一つの方法であり、胎児を無事に出生させるという目的を果たしていると言えます。ただ、母体への負担は帝王切開のほうがはるかに重く、その後の出産も自動的に帝王切開となります(一度帝王切開を受けると原則としてその後は腟から産むことが出来なくなります)。
  腟から産むための3つ目の壁「休日前・夜勤帯前」全ての医療機関に共通することですが、昼間よりも夜間のほうが、人手が少なく、そして、平日よりも休日のほうが、人手が少なくなります。

少し難産気味で非常にゆっくりと進行しているお産の場合、赤ちゃんが生まれるまでまだまだ時間がかかるため、その間に何らかの異常が発生するかもしれず、人手が少なくなる夜勤帯前に(あるいは休日前に)、帝王切開で赤ちゃんを出しておこう、という心理が産婦人科の医療従事者に働くことが少なくありません。

統計データはありませんが、緊急帝王切開は、休診日前である金曜日や土曜日に多く、また、日勤帯から夜勤帯へと変わる夕方3時~5時前後に多いとも言われております。この傾向は医療機関の規模が大きくなるほど(大きな病院ほど)顕著になる、と指摘している産婦人科医もいます。当院は、24時間体制で緊急手術の体制を整えており、休日前だからという理由や夜勤帯の前だからという理由だけで帝王切開になったりすることは決してありませんので、ご安心ください。

以上のように、3つの壁を乗り越えて初めて腟からお子さまをお産みになることができます。当院では、腟から安全に産んでいただけるようお手伝い致します。